駅まで徒歩10分くらいの長くて短い距離。
商店街を抜ければ、ホームが見えてくるというところまで差し掛かって、ポタリと鼻先に雫が落ちた。
「え、嘘。雨?」
「天気予報、当たったみたいだ。傘持ってきておいて良かった」
そう言って彼は傘を広げた。
透明なビニール傘は全方位を歪みながらも逃さず映す。
彼の瞳にはあたしが映り込んでいた。
「雨谷さん、傘は?」
あたしは首を大きく真横に降った。
「じゃあ、貸す。俺は多少濡れても構わないから」
ボタッ、ボタッと傘に激しく雨が打ち付ける音が聞こえる。
彼が右手を差し出してあたしに半分以上を分けてくれているから、彼のブレザーはびしょ濡れだった。
あたしは...思った。
ここで帰ればいいって。
あたしがダッシュで駅まで行ってコンビニで傘を買えばその後だって安心だ。
あたしは傘の柄を持って、彼の方に押し返した。
「あたし...帰る。生粋の雨女は濡れたって大丈夫だから。じゃあ、また...また明日」
「あっ!ちょっ...雨谷さんっ!」
商店街を抜ければ、ホームが見えてくるというところまで差し掛かって、ポタリと鼻先に雫が落ちた。
「え、嘘。雨?」
「天気予報、当たったみたいだ。傘持ってきておいて良かった」
そう言って彼は傘を広げた。
透明なビニール傘は全方位を歪みながらも逃さず映す。
彼の瞳にはあたしが映り込んでいた。
「雨谷さん、傘は?」
あたしは首を大きく真横に降った。
「じゃあ、貸す。俺は多少濡れても構わないから」
ボタッ、ボタッと傘に激しく雨が打ち付ける音が聞こえる。
彼が右手を差し出してあたしに半分以上を分けてくれているから、彼のブレザーはびしょ濡れだった。
あたしは...思った。
ここで帰ればいいって。
あたしがダッシュで駅まで行ってコンビニで傘を買えばその後だって安心だ。
あたしは傘の柄を持って、彼の方に押し返した。
「あたし...帰る。生粋の雨女は濡れたって大丈夫だから。じゃあ、また...また明日」
「あっ!ちょっ...雨谷さんっ!」



