イノセント*ハレーション

【回想】

初めて2人きりで話した日。

あの日は朝からどんより曇り空だった。

あたしは授業が終わるや否や心のよすがを訪れた。

弓道場から徒歩20秒ほどの場所にあるウサギ小屋が、居心地の悪い教室に居たくないあたしの居場所になった。

矢が放たれる音も、

的を貫く音も、

床が軋む音も、

全てが心地良くて、

あたしはそれをBGMにウサギと戯れていた。

何度も何度も写真を撮っては現像し、日記に貼り付けた。

ウサギ小屋を掃除して疲れたから、1番綺麗な場所に新聞紙を敷いて腰を下ろして厳選していると、いつの間にか日はとっぷりと暮れていた。

ウサギ達に帰るよと言うと、ピョンタがあたしの膝に乗って来た。

まだ帰って欲しくないってことだろう。

でも、今帰らないと祖母の夕飯に心配をかけてしまう。

はてさてどうしようと思った、その時。