イノセント*ハレーション

プールや弓道場から少し離れた所にある、誰も寄り付かない、錆びた小屋。

佐山班がここまで見ているとは期待していなかったから、あたしはキャップを目深に被り素手で草をむしり始めた。

消化に悪い草を間違って食べて天国行きなんてなったら可哀想だから、あたしは念入りにむしる。

1ヶ月に1度やってるけど、自然の摂理だから生えてくるものは生えてくる。

どうして今日はこんな映えないことばかりやっているのだろうと、イマドキの女子なら、途中でため息をついて放っぽり出すだろうか。

あたしは生憎そんなイマドキでも映えもしない女子だから、多少汚くても草をむしるよ。

全てはこの子達のために。

たまにカメラを向けるとベストショットを撮らせてくれる、この...ウサギ達のために。