イノセント*ハレーション

うわ...冷たっ...。


「ぅはーっ...」


水中から顔を出すと、ちょうど花火がドカーンと1発上がった。

後夜祭の始まりを告げる大きくて鮮やかな1発だ。

水面に歪んで映る花火を呆然と見つめていたら、次第にあたしの視界も不鮮明になって来る。


「あはは...あははは...っ。あはははははっ!あははあはは...あははははっ...はぁはぁ...ぐすっ...あはは...ぐすっ...あはははは」


泣いてるのか笑っているのか分からない。

嬉しいのか、悲しいのか、

怒っているのか、楽しんでいるのか、

分からない。

なんもなんもなんも、分かんない。


「わっかんないよっ...!」


右手で水面を叩いたけれど、

何度も水中に潜ったけれど、

何度も何度も夜空を見上げたけれど、

あたしは泣いて笑って、

笑って泣いて、

そうすることしか出来なかった。

今のあたしはおかしい。

自分史上1番狂ってる。

きっと誰にどんな言葉を掛けられたって響かない。

ってか、そもそも入らないよ。

もうキャパオーバーで溢れてるんだから。

このプールの水くらいに

いや、それ以上に溢れてるんだから。

零れて零れて、掬ってくれる人もいなくて

ほんと、どうしたらいいか分かんなくて、

ほんと、分かんないしか言えなくて、

それしか答えがないんだ。

分からない。

それが答え...。

あたしの出せる精一杯の、答え、なんだ。