「じゃあ、そろそろ行くな。雨谷も気をつけて」
そう言って彼が去るまで、あたしはずっと目を反らしていた。
山口先生が毎日ピカピカに磨いているであろう薬の入った棚のガラスばかり見つめていた。
段々と彼の足音が遠ざかっていき、耳から完全に消えた時、あたしの身体は突如動き出した。
ジャージの入ったリュックも弁当箱を入れる保冷バッグも視界に入らなかった。
ガラガラと乱暴にドアを開け、ドタドタと激しい足音を鳴らしながら廊下を駆け抜ける。
"廊下は走るな"のポスターが目に飛び込んでも尚走り続ける。
まるで何かに操られているように、
まるで何かに引き寄せられるように、
まるであたしの身体じゃないみたいに、
ごっちゃごちゃの未完成な感情が入り交じった胸が膨らんでいくのと同時にどんどんどんどん加速して、
あたしは頭の片隅にあった思いのままに走り抜け、ある場所にたどり着いた。
鍵なんてかかってない。
まだ水も張ったままだ。
グランドが騒がしいから、あたしの存在になんて誰も気づかないだろう。
もう、知らない。
どうなったっていい。
訳が分からないから、
訳が分からないなりに、
訳の分からない行動をするしかないんだ。
今のあたしが自分のために出来ることは
もう...これしかない。
ドタドタドタドタ...
3、2、1...
ーーバシャーンッ!
そう言って彼が去るまで、あたしはずっと目を反らしていた。
山口先生が毎日ピカピカに磨いているであろう薬の入った棚のガラスばかり見つめていた。
段々と彼の足音が遠ざかっていき、耳から完全に消えた時、あたしの身体は突如動き出した。
ジャージの入ったリュックも弁当箱を入れる保冷バッグも視界に入らなかった。
ガラガラと乱暴にドアを開け、ドタドタと激しい足音を鳴らしながら廊下を駆け抜ける。
"廊下は走るな"のポスターが目に飛び込んでも尚走り続ける。
まるで何かに操られているように、
まるで何かに引き寄せられるように、
まるであたしの身体じゃないみたいに、
ごっちゃごちゃの未完成な感情が入り交じった胸が膨らんでいくのと同時にどんどんどんどん加速して、
あたしは頭の片隅にあった思いのままに走り抜け、ある場所にたどり着いた。
鍵なんてかかってない。
まだ水も張ったままだ。
グランドが騒がしいから、あたしの存在になんて誰も気づかないだろう。
もう、知らない。
どうなったっていい。
訳が分からないから、
訳が分からないなりに、
訳の分からない行動をするしかないんだ。
今のあたしが自分のために出来ることは
もう...これしかない。
ドタドタドタドタ...
3、2、1...
ーーバシャーンッ!



