イノセント*ハレーション

ーーガラガラ。


一瞬先に向こう側の人間がドアを開けた。


「はぁ...やっと見つけた」

「何か用でも?」


せっかく帰ろうとしていたのに、このタイミングで現れるかね...。

あたしの胸がグラッと揺らめき、いつも通りには行かなくて、あたしは目を反らした。


「日葵が捜してた。な~ちゃんと一緒に後夜祭の花火見るんだ~とか言って。だから、早く行ってやってくれ」

「鶴乃さんには行っておいたんだけど、あたしこの後バイトがあるから帰るの。だから、日葵のリクエストには応えらんない」

「そっか。ならしょうがないな。言っておくから、気をつけて帰れよ」


そう言って弓木澪夜は踵を返す。

あたしはその背中を見て、胸がざわざわした。

なんか、違う。

今までとなんか違う。

違う、

違う、

違う...。

なんか...

何か言わないと。

このまま帰しちゃ、いけない。

じゃないと、この不気味に騒がしい胸が収まらないから。

あたしの胸にあるもやもやが消えないから。

消さないと、だから...。