「莉子は目が離せないからな。」




ルームミラー越しに目が合い、ニヤリと意地悪そうに頬を上げるしゅんくん。




「っ、」





なにをどう頑張ったってきゅんきゅんが止まらなくなってしまう。





「着いたぞ。」





「ありがとうございます!」





人がいないことを確認して、急いで車を降りる。





「そんなに急がなくていい、危ないだろ」





「でも、誰かに見られたらっ」





それこそ迷惑どころで済まないことになる。





「そこまで考えてくれて、ありがとうな。」




その言葉一つ一つが誠実で、他人のことをきちんと考えている言動に心惹かれる。




「じゃあな。」



「はい!」



心が満たされる。




これ以上の感情は知らない。そう思った。





この人を推していてよかったと心から思える。