忙しいはずなのに、本当にすごいな。



「それはよかった。」




にこり微笑むしゅんくんの威力に、食べた鮭を喉に詰めてしまいそうになる。




「…あのファンの人を家にあげて大丈夫なんですか?」



シンプルな疑問。




緊急事態だったとはいえ、ナチュラルに家に招いてくれたけど、絶対やばいよね。




「大丈夫じゃないだろうな。遠藤さんにバレたら怒られる。」



淡々と当たり前かのように表情を変えない彼。



「じゃあどうして。」




こんな何をするかわからない、そこらへんの女子高生を。




迷惑しかかけてないのに。




「なんか、莉子は目が離せないんだよ。」




ゆっくり私に移る視線。




にこり微笑み、見つめられると固まってしまう。




「でも、私が家の住所拡散するとか思わないんですか?…連絡先だって。」



いくらシリウスのファンがいい子が多いからといって、そういうことする人だっていると思う。



今の時代、簡単にネットに晒すことだってできる。