「はぁ、莉子、顔は超可愛いのに残念だね。宝の持ち腐れだよ本当。」



そう言って私のほっぺたをペチペチと叩く、はすみん。




「んー痛いーー」



そもそも理想が高すぎて、推ししか見えてないし、恋なんて出来る気がしない。


「それに莉子にはイケメンな幼なじみもいるのにねぇ〜?樋口?」


「あっ!、あ!?俺に話振るなよ!!!」


ガタンっと、大きい音を立てて、突然立ち上がる。



さっきまで隣で黙って聞いてたくせに…騒がしい奴。



この騒がしい奴は、幼なじみの樋口星護(ひぐちせいご)で、家は超近所で、物心ついた時からずっと一緒にいた。


生まれた病院も同じ。


「星護は兄弟みたいなもんだよねぇー!」


そう言って、私は星護の頭をぐしゃぐしゃと乱す。



小学生の時までは、小さかったクセにいつの間にか180センチまで伸びて、私の手がギリギリ届くくらい。



「や、やめろよ!!」



そういうと真っ赤な顔して、教室を出て行ってしまった。



まあ確かに顔はイケメンで、サッカー部だし、よく告白されてるよなぁ。




てかもうすぐ休み時間終わるのに、いいのかな。




「樋口もわかりやすいねえ。」


片手を頬につきながらニヤニヤして、はすみんが言う。



「なにが?」


「あんたは鈍感すぎね。」



そう言って、またため息をつくはすみん。


…オタクってそんなにダメかなぁ?


よくわからないけど、これが私の日常。