「お前、10月1日空いてね?」


高台から、お祭り会場のほうへ戻っているときにそう問いかけられる。





「うん、空いてるけど。」




今、八月だし、まだ二ヶ月くらい先だよね。




10月はツアーももう終わってるし、何も予定はないはず。



「練習試合観に来て。その時にさっきの続きの話するわ。」



「…うん、わかった。」



やっぱり様子がおかしい。



全然目も会わないし。



「あ、高梨あそこにいるじゃん。じゃあな。」



そう言って、人の波に消えていってしまった。



「う、うん、ありがとう。」



なんかやたらテンション低かったな。




いつももっとうるさいのに。




やっぱり引っ越しとかしちゃうのかな、それとも病気とか?



うーん。考えれば考えるほどわからないし、もやもやする一方だった。