着いたけど、人が全くいない。
街が見下ろせる神社。



キラキラと光る屋台の灯り。




さすが穴場だね。





時計をチラッと見ると、花火の5分前くらいだった。





「…俺、莉子に話したいことがある。」 




いつになく真剣な星護の顔に、少し体が強張るのがわかる。




ま、まさか引越しとか!?





「え、何?」






「…おれ、」




ーーーーヒューパンッ




何か言いかけたと同時に、花火が打ち上がる。




「ごめん、聞こえなかった。」




「い、いいよ。花火見よう。」




そのまま、会話することなく、花火を見続けた私たち。





すごく綺麗だったけど、星護のいいかけてたことが気になって仕方がなかった。





ちょうど花火が終わった頃にはすみんから連絡があり、再びはすみんと回ることになった。




「星護、さっきの話ってなんだったの?」




「あー。」





首を触って、目を逸らす。


星護が困ってる時にすること。