「私、こうして遭遇するたび。シリウスを応援しててよかったなぁってつくづく思うんです。


アイドルって良くも悪くも普通の人じゃないから、テレビで見るイメージと全然違う人たちでもしょうがないと思ってたんです。


でもみんな優しくて、ファンのことを一番に考えてくれてる。」




やっぱり私ってシリウスのことになると、途端に饒舌になる。



「うん、俺たちもりこぽんみたいな人がファンでとっても嬉しいよ。」




「て、照れるじゃないですか。」



そんな公認のファンみたいなこと言われると、すごく嬉しくなる。





「あ、そうだ。また構成のことで聞きたいこととか出てくるかもだし、連絡先教えて。」



ん、と携帯を差し出される。



画面は既にLINEの友達追加を表示していた。



いやいやいやいやいや、





「え、そんな携帯が爆発しますよ」





平凡な高校生の私の携帯に、突然『福本健一』なんて登録がされたら、携帯がびっくりして画面にびびでも入るんじゃないかと思う。





それくらいすごいことなんだ。






「ぷはっ、何言ってんの。はい、QR〜!これで本当の知り合いだね。」




言われるがまま連絡先を交換する。




拒否権はないように感じた。





画面に表示される"福本健一"というパワーワードに思わずスマホを落としそうになる。


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