「っ、」



降り注いだ言葉に、涙が溢れ出す。


だめだ。



「莉子の気持ちを知りたい。本当の気持ち。」



話しながら近づいてくる彼に、追い詰められてついに壁に辿り着き、これ以上距離を取ることができなくなってしまった。



ドアップに映る、ピンクのうさぎ。





「…わ、私も、しゅ、しゅんくんが好きです」



やっと本人に伝えることができた気持ち。


ちゃんと目を見て、言った。


素直になれた心。



これ以上、自分に嘘はつけなかった。




「っ〜、…ああ、もう可愛すぎる。」



ギュッーーー




「ちょっ、」



雑誌撮影のときなんて、比にならないほど強く抱きしめられる。



ホワイトムスクの香りに、またクラクラしてくる。




「もっと、顔見せて。」



そう言って、顎をくいっと持ち上げられて、目線を合わせられる。


恥ずかしいから、視線を外したいのにそうはされさせてくれない。




うさぎの表情は相変わらず読めない。