「おー、白木、いいところにいた。旧校舎から予備のモップと雑巾持ってきてくれないか。」 



文化祭も終盤。



ほとんどのお店が売り切れて終了して、お客さんも帰っていく足並みがほとんどになった頃、先生から声をかけられた。



旧校舎というのは、今はほとんど使われていない場所で、今では倉庫的な存在になっている。


文化祭であっても、あそこには人っ子一人いないと思う。




「え、あそこ怖いんですよっ」



薄暗くて、幽霊が出るとかでないとか。




「他に手が空いてる人いないんだよ。よろしくな。」



そういって、強引に鍵を渡される。




「えー。」



渋々それを受け取り、重い足取りで旧校舎へ向かう。



これから地獄の片付けが待っているというのに、みんなはまだまだ文化祭気分ではしゃいでいる。



あそこのうさぎの着ぐるみ可愛いなぁ。




2年の着ぐるみカフェの人たちかな。