雷と雨が止んだら、充電していた莉子の携帯が鳴った。
電話に出た莉子があからさまに明るい表情になったから、ご両親からの連絡からと思ったが、どうも違うらしかった。
携帯から漏れてくる毎日聞く騒がしい声に、すぐ健一からだとわかった。
健一にはニコニコと笑いながら楽しそうに会話する莉子に、腹のそこから黒い感情が生まれるのがわかった。
いつの間に連絡先なんて交換していたんだろう。
莉子は俺のことが好きなんじゃないのかと、腹が立った。
雨と雷はすぐにおさまり、その日は別々の部屋で寝て、朝から莉子に朝食を作った。
昨日はよく寝れなかっただろうから、朝から元気が出るように少し張り切ったメニュー。



