すぐに駆け寄り、その男を投げ倒す。
…こんなに殺意が湧いたのは初めてだった。
きょとんとした顔で俺を見つめる莉子。何もなくてよかったと心からそう思った。
うるうると今にも泣き出しそうな顔をして、震えている様子をみると相当怖かったのだろう。
家まで送るというと断った莉子を見て、危機感のなさに驚いた。
結局家まで送ったはいいものの、莉子は一向に家に入ろうとせず、ずっと鞄を漁っている。
『鍵忘れた、』その言葉に、驚いた。携帯の充電も切れているらしい。
ホテルだってどこも空いてない。夜中に女子高生一人でネットカフェやカラオケに行かすことも出来ない。
時間はもうすでに夜の12時過ぎ、うちに来るしかない。
しかし莉子は断固として拒否した。



