「健一、こんなところで何してんだよ。」




声の主は何度も聞いた大好きな声。





かっこよすぎて、視界の隅にしか捉えることができないけど、オーラが凄すぎる。





震える。




ふわふわする。




心臓が今までにないくらい脈を打つ。






見ることすら不可能。







見るとやけどしそう。






「あ、瞬。いやこの子さ、俺らしか持ってないパーカー持ってて、」






『不思議すぎて声かけちゃった。』そう言ってヘラヘラと笑っているけんけん。






「あ、この間の。」






その目が私のことを捉えた。






うう、苦しい。



何も言えず、下を向く。






パーカーを持つ手は震えて止まらない。





「この間のって…ファンの子家にあげたって、遠藤さんにめちゃくちゃ怒られた時の子か!?」





お、怒られた?







「そうだ。」