「あ、お疲れ様です。」



もうすでにリハーサル室から出ていたのか、森本さんと二人で廊下を歩いていた瞬がいた。



「どうしたんすか?」



『この後なんかありました?』と手帳を広げながら不思議そうに問う、森本さん。




「瞬、ごめんな。今までシリウスを守りたい一心で、お前の気持ち何も考えてなかった。」



廊下のど真ん中、綺麗な90度のお辞儀。




こんな遠藤さん初めてみた。



「突然なんの話ですか?」



心当たりのない瞬は、驚いた表情をしている。



遠藤さんのりこぽんに会わせない判断に瞬は納得してるんだもんな。



「白木さんのこと好きなんだろ?」



その名前にあからさまに反応する。


相変わらずわかりやすい。



「…でも、もう忘れるって決めたんで。」



りこぽんの話になると、本当に表情が変わる。



恋ってすげーな。