「花奏ちゃーーん」



たまらなくなって花奏ちゃんに抱きつく。


女の子らしいいい香りがする。



「あー、泣かないの。はいはい。」




ちょっと不安だった。


嫌われちゃうかもって。




「ごめんねえ」



でも花奏ちゃんがそんな子なわけないもん。



「どうして莉子ちゃんが謝るの?話してくれてありがとう」




「花奏ちゃんとオタ友でよかったよー」



花奏ちゃんと友達でよかったと心から思った。



こんなに衝撃の事実を受け入れてくれる良い子いないよ。




「ふふ、私もだよ。でも、莉子ちゃんは本当にそれでいいの?しゅんくんのこと好きなんでしょ?」



諭すように優しく問いかけてくれる。




「うん、でももういいの。叶わない恋だから。しゅんくんの邪魔はしたくない。」



迷惑はかけたくない。



私のことなんて早く忘れて、幸せになってほしい。




「そっか。私は莉子ちゃんの気持ちを尊重するよ。」



どこまでも最強な自分の周りの人たちが大好きになった1日だった。