「辛かったよね。ごめんね、そうとは知らず、私。」




「ううん、話してなかった私が悪いから。」




泣きそうになりながら話す私に、花奏ちゃんがよしよしと頭を撫でてくれる。



「こんな話し、オタクの私にできるわけないよね。私だって同じ経験したら、言えない気がする。」




「…花奏ちゃん、驚かないの?」




話してる時も終始落ち着いて聞いてくれていた。





「すっごい驚いてるよ?手だって震えてるし、心臓だってすごい速度で鳴ってる、もう叫びたいくらい、みんなに言いふらしたいくらい!


でも、絶対そんなことしない。何があっても、莉子ちゃんの見方だって言ったでしょ?」





ふわりと花が咲くように笑う笑顔に耐えきれなくなって涙が溢れ出す。