あれからしばらくすると森本さんからメッセージが送られて来て、詳細が知らされた。



学校から電車に揺られること30分程の距離にある、都内のスタジオ。



「白木さんこっちです。」




「あ、どうも。」



スタジオの前に着くと、関係者入口らしき場所に森本さんが待っていてくれていた。


前回とは少し違う待遇。


森本さんについていき、スタジオの中に入る。




「おう。」



よっと、片手を上げて挨拶してくれるしゅんくん。



今来たばかりなのか、前回とは違いメイク前ノーセット。



「お、りこぽん制服じゃん、JKって感じだね〜!」



「学校終わりなので」


けんけんはもう準備万端でメイクもばっちり。



やっぱり生で見ると、オーラも迫力も違うなあと今更ながら感心する。




そう今日は学校終わりで、急いで駆けつけたので、制服姿のままだった。




「莉子、ありがとうな。」




背の高いしゅんくんが、しゃがんで私に目線を合わせて話しかけてくれる。



「いえ、」


優しいなぁとその心遣いに、胸が暖かくなる。