なんでも、発売日前から重版が決まったらしい。


「わ、私だって信じられないよ、」



カランカランーーーー





「あ、樋口」



部活終わりジャージ姿の星護だった。




「お、おう。」



告白されたあの日以来、星護とはわりと普通に普段通り話している。


きっと星護がすごく気を使って、頑張っていつも通りに接してくれているんだと思う。



「星護今日手伝い?」



星護は部活が早く終わった日や、オフの日は必ずこのお店に来て、二人の手伝いをしている。



「まあな。あ、莉子に聞きたいことあったんだよ。」



「なに?」




私たちのテーブルへ近づいてくる星護。



「これさお前じゃね?SNSでやたら話題になってるから、写真見たけど」


テーブル上にある雑誌、しゅんくんのページを指差す星護、背筋が凍るのがわかった。





「…えへ?!そんなわけないじゃん。」



明らかに動揺するはすみんと私。



「いやでも、耳の裏の黒子とか、フェイスラインがお前なんだけど。」



たしかによく見ると雑誌に映る耳の裏の黒子。

私こんなところに黒子あったんだ。