珍しくカラッと晴れた天気のいい冬の日、私は再び龍基くんの家に行くことになった。
やっと勉強も落ち着き、デートしたいと言う話になり、お家デートもたまには、と龍基くんが誘ってくれたのだ。

公園で待ち合わせをして龍基くん家まで歩いて向かう。
待ち合わせ場所で先に待っててくれた龍基くんはマフラーをまいてグレーのニットの上からマウンテンパーカーをはおっている。

何度かその姿に見惚れてボーっとしてしまった。
「結菜、大丈夫か?」
何度も心配してくれる。
でも「龍基くんに見惚れているんです」とはさすがに恥ずかしくて言えない。

「結菜、寒くねぇか?」
私はマフラーも手袋もつけてないから心配してくれているんだ。

「うん、大丈夫だよ。」
やっと慣れてきたタメ口。
私はそう言いながらもマフラーをつけてこなかったことに少し後悔していた。

(晴れててもこんなに寒いんだよね。冬なんだから当たり前か。)
空を見上げていると首にあったかい感触が。
(うん?)
自分の首を見ると龍基くんのマフラーが巻いてあって。
「龍基くん!?これだと龍基くんが寒いよ。」