「あーまた泣いて。結菜は笑顔が1番なのに。」
小さい子にするみたいによしよししてくれる。
まぶしいほどの笑顔にほんの少し気持ちが軽くなる。

「追いかけてきてくれた、、の?」
私がそう言うと
「当たり前じゃん!心配だし。」
と言いながら指で涙をぬぐってくれる。

「幼なじみでしょ?」
心が弱った今の私にはその言葉が何よりの救いだった。
「ありがとう。ふーくん。」
私も少しだけ笑顔を返す。

ふーくんは笑い返してくれた後、急に真剣な顔になった。
「結菜が泣いてたのって、龍基のせいだよね?」
私はううんと首を横にふる。
「龍基くんのせいじゃないの。私が気持ちを抑えられないだけで。」

(だめだ。また泣きそう。)
龍基くんのことになると涙腺がゆるむのか泣き虫みたいになる。
「結菜のせいじゃないよ。俺、龍基のせいで結菜が泣いてるの見たくない。」
悲しそうな表情でぎゅーっと両手を握ってくるふーくん。
「ふーくん?」
笑みが消え、下を向いたふーくんがちょっと心配になる。
5秒後、顔を上げたふーくんは想像もしていなかった言葉を言った。

「俺、結菜のこと好きなんだ、!」