学校だということを一瞬忘れたぐらい必死だった。
(忘れようとしてたのに…、なんで…。)
気がつけばだれもいないところにいて。いろんな感情が混ざって涙が抑えられなかった。
(好きってこんな辛い気持ちだったっけ、、?)
恋ってキラキラして幸せで相手のことを考えるだけで楽しいものだと思ってた。
好きすぎて辛いよ...。

思わず床にしゃがんで声を押し殺す。
「結菜?」
少し息が切れている声が聞こえたのはそのすぐ後だった。

(龍基くんじゃない。誰だろ?)
龍基くんより少し高い声。優しくて、何度も何度も聞いた男の子の声。
顔を上げると目の前にいたのは辛い時、今までずっと寄り添ってくれていたふーくんだった。

「結菜、大丈夫?」
心配そうに私の顔をのぞきこんで同じようにしゃがんでくれる。

「ふー、、くん、、?」
私は泣きながらも顔を上げる。

私を見たふーくんは一瞬驚いたような顔をしたけどすぐにいつもの優しい顔になった。