「はっきりと……
『あいつじゃない』って言ってたから
私はもう、失恋決定なの」


「みぃ……」


必死で溢れてくる涙を止めながら
冬美に笑顔で答える……


「だからって…
弟と付き合うなんて──」


「……最低だよね?私」


「そんな事…」


冬美は言葉に戸惑いながら
俯く。


「それでもいいって言ってくれたから…
私は、裕也と付き合おうと思ったんだ?
彼が──忘れさせてくれるって思うから」



本当は私にも分からない。
私──拓斗のこと、忘れられるのかな?