「ちょっと!!みぃ!!
拓斗と何もなかったの!?」


私に説教じみた事を話してるのは
他の誰でもない──冬美だった。


Wデートから2日…


月曜の朝からこんな話をしながら登校している。


「うん……結局拓斗に何も聞けなかった」


何もなかったのは嘘だけど…


キス以外…何もなかったよ?
本当に──


「マジ言ってるの?
拓斗の様子だと、脈ありっぽいんだけどなぁ」


「やっぱり怖くて聞けないし…
拓斗からも何も言ってこないし
無理なんかなぁ──」


「「はぁ~」」


2人同時にため息をつく…


「何で冬美までため息つくんだよ~」


「ん?何となく…
奥手のみぃと、鈍感の拓斗にちょっとがっかり」


「ひどぉい!
私だって頑張ってるんだから!」


「じゃあ何頑張ったか言ってみなさいよ!」


「何ってっ──」


ふと観覧車での出来事を思い出す。


かぁぁ──
見る見るうちに熱が上がっていくのが分かる。


やばいっ!!恥ずかしい…
今日……拓斗の顔、ちゃんと見られるかな?