裕也の顔を見ると
うんとしか言えなかったけれど
やっぱり拓斗の家に行くのは
気が引けた──

できる事なら会いたくない…
できる事なら拓斗のことを思い出したくない。


やっぱりまだ──
拓斗をふっきれそうにないから。


忘れなきゃって思うほど…
拓斗のことを考えてしまう自分がいるから…


だから──彼に関わりたくないんだ?


でも…ちょっとでも
裕也を幸せにしてあげたい。


裕也に喜んでほしい……


私の中に芽生え始めていた裕也への気持ちで…
私は、彼の言ったことには
反抗出来なかった。