「ごめん!!冬美!やっぱり無理!」


「何で?全然いいじゃん!
可愛いよっ!!」


「でも……恥ずかしすぎて死ぬっ!」


「大丈夫だって!
マジ可愛いから!」


「だってぇ~」


「いいからっ!
とりあえず幸成に見てもらおうよ!」


「やっぱりいつものジーンズとロンTでいいよぉ~」


Wデート当日…
冬美と一緒に買い物に行って選んでもらった服に着替えて、彼女にメイクをしてもらった。


冬美の彼氏の幸成は私の隣の部屋で待機中…


拓斗はというと、朝ちょっとだけ部活に顔をだしてから合流することになっている。


「ほんと変だからっ!!
無理っ!!」


家中に響き渡るくらいの大きな声で叫んでいると
幸成が部屋の前から
呼んでいる声が聞こえる。


「開けて平気?
拓斗から連絡が来て、今からこっちに来るってさ!」


「本当!?
ほらっ!!もう時間ないから行くよ!!」


強引に冬美は私を連れて
部屋のドアを開けようとしている。


「や~だぁ~
今日は行かない~!!」


「何わけわからないこと言ってるの?
みぃの為のデートでしょ!?」


「……そうだけど」


「幸成ぃ~
ドア開けて!!」


「無理っ!!
開けないで~」


──バタン。


幸成は冬美の声で躊躇せずドアを開けた。