「私!!裕也と付き合ってるの!
だからっ──」


「「みぃ……」」


左側にいる裕也と
目の前に立つ拓斗から
同じ音で、同じ言葉が聞こえた。


私──何言ってるんだろう?
せっかく裕也は私の気持ちを考えてかばってくれたのに…


まだ……拓斗にばれたくないと言ったのは
私なのに。


「だからっ……」


涙をボロボロと流す私を
拓斗は温かい瞳を少しだけ視点をずらして
見つめている。


「そうなんだ
よかったな──裕也、いい奴だから
仲よくしてやってくれな?」