「すっみませ〜ん、遅れましたぁ〜。」

私は、学校ではキャラを作っている。理由は簡単。人と関わり合いたくないからだ。



…そう、関わりを持つのは彼奴等《アイツラ》だけでいい… 。




「梅咲さん、あなた、今何時だと思っているんですか!」


…そうだ。3限目は数学だった。

もう1時間サボればよかったかも…。

「3限目でぇ〜す♪だって仕方ありませんよね〜。寝かしてくれなかったんで。」


まあ、そんなことはおくびにも出さないが。


てか、うざいんだけど。本当。このおばさん、早くくたばってくれないかな。


「なっ、あなたはっ、廊下に立ってなさい!」


廊下って…。いつの時代よ。


「は〜い。なんか嫌われちゃってる桜ちゃんは、廊下にいきま〜す♪」


私は元気よく手を上げて、廊下に戻った。



…んなわけ無いだろ。サボるに決まっている。




だが…、屋上は恐らく駄目だろう。舞琉が使っている可能性が高い。



となると…


「よし、蒼のところに行こう。」


目標が決まれば後は早い。



不気味なほど静まっている廊下を駆けて理事長室に向かった。