タッタッタッタッ

は〜い、到着。只今、正門の前におります。

いや〜でも残念なことに…門が閉まっているんですね。はい。

と、いうことで、いつもの場所から…

ギィィィィィィ…

コツコツコツコツ…

バタン

「やっほ〜。久しぶりにきたよ〜。」

「お前な…いい加減、遅刻するんじゃねえよ。誤魔化すの毎回大変なんだぞ?もう少し早く起きれないのか?」

「無理無理、私が朝弱いこと知ってるでしょ?ところでさぁ〜言いたいことがあるんだよね〜。」

そう言ってにっこりと笑うと何故か顔を引き攣らせながら頷いた。

…ひどくない?まあ、いいや。とりあえず、

「ボロい、ボロいんだけど。いい加減なんとかしてよ。私、あの音嫌い。」

って言っとけば、だいたい流すから。

「いや、そんなこと言われてもな。あそこを修理するとなったら、結構お金がかかるんだよ。」

な〜んて、言い訳してきた。

でも、思ったんだけど…

「それって、この学校が無駄に広いからでしょ。」

そうなのだ。この学校…

つまり、星城学園は俗に言う不良高校だ。

それなのに、敷地は無駄に広い。

最早、何処の豪邸だよっ!って突っ込むくらいには。

なんでもこの学校を造った人が金持ちだったからとかなんとか…

まあ、そんなことはどうでもいい。

それよりも何か重大なことを忘れているかのような…


「あ!そうだ、転校生!」

そう、今日は転校生が来る日なのだ。

「やっと、思い出したか。」

目の前には呆れた顔をした奴がいた。

「おい、奴ってなんだよ!奴って。だんだん俺の扱いが酷くなってないか…?」

そんな事言われても…

「奴で十分だから?」

疑問形になってしまった。

って、それよりも…

「転校生って誰?」

「ああ、転校生な…。簡単に言えば俺の後輩だ。」

ふ〜ん、後輩ね。後輩… 後輩?

「後輩いたの?」

「いるわ!お前は俺をなんだと思っているんだよ…」

え、なんだと思っているって…

そりゃ…

「馬鹿なはずなのに、何故か理事長な人。」

「酷い…」

ありゃりゃ… 落ち込んだよこの人は…

いい年して、キノコ栽培って…

「それでさ〜、結局転校生って具体的には誰なわけ。」

「…舞琉…」

……

ん?なんか今変なことを聞いた気がするんだけど…

「…ねえ、もう一回言ってくれる?今信じられない言葉が聞こえたんだけど。」

「転校生は世界No.1の暴走族、舞琉だ。」

………

聞き間違いじゃなかった。確かに舞琉って言った。

ん?てことは…

「蒼《アオイ》って、舞琉の総長だったの!嘘でしょ…。あの、舞琉の総長が蒼…。」

「嘘でしょって…。俺はどんだけ馬鹿だって思われてんだ…?」

蒼はこんなこと言っていたが、混乱している私には聞こえるはずがなかった。