一方でサアラはマニーレ家で使われているメイド服を着ている。お気に入りのワンピースにかつての愛らしかった面影はない。新しい服を買おうにも義母からは無駄遣いだと咎められ、サアラにはメイド服以外の選択肢がないのだ。
成人したクリスは毎日のように派手なドレスで着飾っているけれど、サアラにはそんな余裕も許可さえ下りることはない。祖母が愛してくれたストロベリーブロンドの髪は適当な紐で結ばれている。まるで彼の使用人にでもなったようだ。
「貴女が管理していると訊きましたが、持ち主の性格を繁栄させたような地味さですね。大輪の花もなければ彩りも少ない。私は美しいものが好きなので多少は有意義な時間を過ごせると思ったのですが、残念です」
ルベリオは言葉通りつまらなそうに庭を眺めている。美しい顔立ちをしているが瞳は冷たい色をしていた。しかし一代で莫大な富を築き爵位を買ったのだから有能な男なのだろう。
「そもそも聖女の末裔であるマニーレ家の令嬢が庭いじりとは嘆かわしい」
――お言葉ですが!
本当はそう言ってやりたかった。
この庭は生活に必要な薬草でできている。どの草木も魔法薬となり生活を助けてくれる優秀な子たちだ。
サアラは喉まで出かかった言葉を呑み込む。父からは絶対にルベリオの機嫌を損ねるなと言われていた。
「私の婚約者となるのですから相応しい言動を、それにともなった服装を心がけてほしいものですね」
――お言葉ですが!
とサアラはもう一度閉じた口を開きそうになった。
言葉はともかく、仕事を命じているのは義母だ。このメイド服だって好きできているわけじゃやない。本当は人並みに好きな服を着たいという憧れもある。
成人したクリスは毎日のように派手なドレスで着飾っているけれど、サアラにはそんな余裕も許可さえ下りることはない。祖母が愛してくれたストロベリーブロンドの髪は適当な紐で結ばれている。まるで彼の使用人にでもなったようだ。
「貴女が管理していると訊きましたが、持ち主の性格を繁栄させたような地味さですね。大輪の花もなければ彩りも少ない。私は美しいものが好きなので多少は有意義な時間を過ごせると思ったのですが、残念です」
ルベリオは言葉通りつまらなそうに庭を眺めている。美しい顔立ちをしているが瞳は冷たい色をしていた。しかし一代で莫大な富を築き爵位を買ったのだから有能な男なのだろう。
「そもそも聖女の末裔であるマニーレ家の令嬢が庭いじりとは嘆かわしい」
――お言葉ですが!
本当はそう言ってやりたかった。
この庭は生活に必要な薬草でできている。どの草木も魔法薬となり生活を助けてくれる優秀な子たちだ。
サアラは喉まで出かかった言葉を呑み込む。父からは絶対にルベリオの機嫌を損ねるなと言われていた。
「私の婚約者となるのですから相応しい言動を、それにともなった服装を心がけてほしいものですね」
――お言葉ですが!
とサアラはもう一度閉じた口を開きそうになった。
言葉はともかく、仕事を命じているのは義母だ。このメイド服だって好きできているわけじゃやない。本当は人並みに好きな服を着たいという憧れもある。


