今日も今日とて斗亜の家に通い詰めるのは、彼に会いたいから。

ひとつ年下の不良のやつ。

あの日から3人で会う機会が増えていつの間にか好きになっていた。

今まで恋愛なんてしたことがなかったからどうしたらいいかなんて分からない。

そんな俺は自分の気持ちを伝えるどころか素直になれず未だに仲良くなれていない。

チャイムの音がなり斗亜が花井を連れてくる。

花「叶野くん!!」

『お、おー。』

ドキドキと鼓動する胸を隠しながら平然を装おうとするが素っ気なくなってしまう。

顔を見るのが恥ずかしくてすぐさま手元の漫画に目をやる。

「あ!その漫画!!!面白いっすよね!叶野くんも見てたんだ!!」

『あ、うん。おもしろい。』

顔を覗き込まれて距離が近くなる。

花井はいつも目をしっかり見てくる。昔から人と目を合わせるのが苦手だからしっかり合わせたことなんてないけど。

花「男の子が歳下っていうのがいいんだよなぁ。」

『そうだな。』

この少女漫画の持ち主はあのイカつい斗亜の物。ベットの下に毎月買ってある少女漫画が積み上げられている。

"歳下男子"という漫画が俺はお気に入り。
健気な後輩の男の子と先輩の話。

自分と彼を重ねて読んでしまう。実際俺の片想いだけど。


『…いいな。』

花「叶野くん恋愛興味あるの!?」

三「え?好きな子いるから読んでんだろ?」

『ば!!!ちげぇよ!!!』

思わず声にしていた言葉に反応される。

斗亜には気づかれているのか?分かってて言ってるのだろうか。まあ馬鹿だからわかっていないだろう。

花「好きな子いるんですか?」

『いない!!!!!!』


俺は今日もこの気持ちに嘘をつく。