ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 お母様の表情は読めない。ニコニコとしていらっしゃるがどうだろう。

「慎一郎がお世話になっています」

「いえいえ、こちらこそ」

 中へお通しして紅茶を出す。お二人はコーヒーよりも紅茶派だと慎一郎さんから聞いた。

 ケーキと、フルーツを出す。フルーツは飾り切りをしたりんごとブドウだ。

「慎一郎が天才心臓外科医と言われるような優秀な医者だから、その経歴に魅了される女性が絶えなくてね」

 お父様は、君もそのひとりだろういう目で私を見た。

 いきなりの先制攻撃に顔がひきつりそうになる。

「父さん」と慎一郎さんが諌める。

「彼女はそういう女性じゃない」

 私も負けてはいられない。

「私は彼がお医者様だと知らずに知り合いました」

 それは本当だから、堂々と言う。

「ふうん。そうかね」

「桜子さんのご両親は?」

 その質問には慎一郎さんが私に代わって答えた。

「彼女は苦労人なんだ。大学生になる弟と支え合って生きている。俺は彼女を応援したいし愛している」