ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「え、あ、ありがとうございます。でもどうしてご存じなんですか?」

「弟さんから連絡もらったんだ」

 なんですって!

「優斗ったらいつのまに」

「病院で会ったときにね。医者になって早くお姉さん孝行をしたいって言ってたな」

 あの子ったら、優しいから。

「そうですか……」

 でも、朝井様にそこまで話をしていたなんて。今度注意しておかないと。

「優斗は今、引越し先を決めに北海道に行っているんです」

「そっか。じゃあ桜子もこれから寂しくなるね」

 ズキンと心が痛んだ。優斗が北海道に行ってしまうと私はひとりだ。

「なぁ桜子。優斗くんが引越ししたら、一緒に住まないか?」

 はっ?

「あの部屋は君にとっても居心地がいいはずだろ」

 運転席を振り向くと、チラリと私を見た朝井様はクスッと笑った。

「君の、そういう困った顔いいよね」

「もう」

 またからかわれた。

 今日は仕事ではなく一応プライベートだ。

 感情のまま素直にいよう。

「からかわないでください」

 怒ってみせると、彼はなにが楽しいのか白い歯を見せて楽しそうに笑った。