ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 ひと月にも及ぶ連泊のせいで、彼はコルヌイエで丸裸にされているのである。

 私だってだてに振り回されていたわけじゃない。弱みを握っているような、妙に爽快な気分だ。

「夕食はどうしますか?」

「四人でどこか食事にでも行こうかと思ったんだが」

「わかりました。では朝食の用意だけでよろしいですね」

 そうは言ってもご両親がどう思っているかはわからない。対応できる準備だけはしておかないと。

 あれこれ考えながらメモを書き、終わったところで出かけることにした。

「では、買い物に行ってきます」

「それなら俺も行こう」

「いえいえ、大丈夫ですよ」と、言ったのに。

 彼は迷わず一緒にいくつもりのようだ。

「車を出そう。どうせ結構な荷物になるんだろうし。それに支払いもある」

 もめている時間はない。

「わかりました。ありがとうございます」

「また、敬語じゃないか」

 ハッとして口に手をあてる私の肩を、朝井様が抱き寄せる。

「さあ、行こう」