「お前もなんで今になって言うんだ。もうあれから三日も経っているんだぞ?」
「その必要がないと思ったからだよ。なんの躊躇もなく桜子さんを抱き上げたお前の姿を見て、薫の存在なんか、ふたりにとっちゃ吹けば飛ぶ埃のようなものだと思った」
「そうさ、それはそうだが、だからって」
「薫には後で桜子さんに謝罪の手紙を送るように言っておいた」
「手紙だって? おい八代、そう簡単に許せると思うか? 小池の話に桜子がどれだけ傷ついたと思う? なにも言わなかったんだぞ? 俺はなにも知らなかった」
話してくれってって言ったのに。
『慎一郎さん、ギュッとして』
俺はあのときどう答えた?
『寝るまでこうしてるから安心して』
コルヌイエを辞める寂しさだとばかり思っていたのに。
「クソッ」
前屈みになって頭を抱えた。
桜子は頬を寄せて笑っていた。こうしていると安心すると言って。
彼女は俺を信じてくれたんだ。
「その必要がないと思ったからだよ。なんの躊躇もなく桜子さんを抱き上げたお前の姿を見て、薫の存在なんか、ふたりにとっちゃ吹けば飛ぶ埃のようなものだと思った」
「そうさ、それはそうだが、だからって」
「薫には後で桜子さんに謝罪の手紙を送るように言っておいた」
「手紙だって? おい八代、そう簡単に許せると思うか? 小池の話に桜子がどれだけ傷ついたと思う? なにも言わなかったんだぞ? 俺はなにも知らなかった」
話してくれってって言ったのに。
『慎一郎さん、ギュッとして』
俺はあのときどう答えた?
『寝るまでこうしてるから安心して』
コルヌイエを辞める寂しさだとばかり思っていたのに。
「クソッ」
前屈みになって頭を抱えた。
桜子は頬を寄せて笑っていた。こうしていると安心すると言って。
彼女は俺を信じてくれたんだ。



