ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「バカな男だな。コルヌイエは出禁だろうし」

「当然だ。支配人もカンカンに怒っていた。訴える時は防犯カメラの映像を提供してくれるし協力を惜しまないって言ってくれてる」

「朝井が奥さんを抱いて行ってしまったあと、あの男震えながら土下座していたからな」

 呆れたように八代が笑う。

「弁護士が言うには、一流企業のエリートになった途端にモテだして、勘違いしたんだろうってさ」

「なるほどね。いるよな、そういうやつ」

 医者にもいる。

 世の中には医者というだけで目の色を変える女がいる。

 それまでモテない学生時代を過ごした男が勘違いをして女性問題を起こす。この院内でも聞く話だ。

「桜子をそっとしておきたいから警察沙汰にはしないが、とりあえず二度と近づかないよう念書を書かせようとは思っている」

 八代も頷いた。

「そうだな。まずは奥さんの無事な出産が先決だ」

 ごくごくと缶コーヒーを飲みほした八代は「薫もバカだな」と言う。

「ん?」