ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

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 オペが終わりいつものように屋上庭園に来た。

 風が気持ちいい。

 もうすぐ梅雨だ。屋根はないし夏は暑すぎていられない。ここでひと息つけるのもあと少しだ。

 スマートホンを確認したが、桜子からはなんのメッセージもない。

 午後三時。便りがないのは元気な証拠というが、電話をかけようかと考えて、やめておいた。

 寝ているかもしれないし、起こしてしまうのはかわいそうだ。

 今日からハウスキーパーが来ている。

 保健師の資格を持っていて、桜子から見れば祖母のような年齢のベテランの女性だから、心配はないだろう。彼女の笑顔を見ると安心できると桜子も言っていたし。

 その女性にメッセージを送ってみた。

【どうですか? 桜子の体調は問題ありませんか】

 既読はすぐについた。

【問題ありません。今お休みになっています】

【了解です。引き続きどうぞよろしく】

 スマホを閉じて、よく冷えた缶コーヒーを飲む。

 オペが終わったひとときしか飲まない甘いミルクコーヒーが喉を通り、体の中に染み込んでいくようだ。

「おつかれ」

 いつものように少し遅れて八代がきた。

「おつかれさん」

 八代は隣に腰を下ろし、背もたれに体を預けるようにして大きく伸びをした。

「その後、どうなった? あの男」