ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「私、まさか電話が繋がっているとは思わなかった。いつのまにか通話ボタン押してたのね」

「言っただろ、俺は強運の持ち主だってね」

 あははと笑うと、彼は私を抱きしめた。ギュッと強く。

 時々私がお願いするときのように。

「俺はよく心臓に毛が生えてるだろって言われるが、さっきばかりは止まりそうになったぞ」

「それは大変」

「あの男とは弁護士を通して念書を書いてもらうようにした。なにも心配しなくていいよ」

「わかった。慎一郎さんにお任せする」



 次の日、私は慎一郎さんと一緒にホテルを後にした。

 最後まで事件続きだったのも、すべてコルヌイエの思い出だ。

 帰る道々慎一郎さんが言う。

「看護師の資格のあるハウスキーパーを頼むよ。これは君だけのためじゃなく僕のためにね。君がひとりでいると思うと心配でいたたまれないから」

「わかったわ。ありがとう」

 この様子ではもう少し働きたいなんて言ったら絶句しただろうなと、密かに苦笑する。