美江ちゃんはレストランの入り口にいて、慎一郎さんがレストランの入口から私に電話をかけるところから一部始終を見ていたそうだ。
『あ、桜子』って言ったきり固まった慎一郎さんは何度も『桜子』と呼びかけ、しまいには大声で『桜子っ! 今何階だっ!』と叫んだ。
その声に美江ちゃんとほかのスタッフ、そして八代さんや小池薫さんも、慎一郎さんの後を追ったという。
「すごかったんだから。それこそ脱兎の如く走って、ダダダッてエレベーターのボタンを連打して。壊れるかと思ったわ」
あははと笑った。
「あの、小池薫さんって女医さん、なんとも言えない顔で呆然と見ていたわよ。朝井様が血相変えて桜子を抱き上げたのをね」
「そう……」
「お連れの男性に、えっとお医者様の」
「八代さん?」
『あ、桜子』って言ったきり固まった慎一郎さんは何度も『桜子』と呼びかけ、しまいには大声で『桜子っ! 今何階だっ!』と叫んだ。
その声に美江ちゃんとほかのスタッフ、そして八代さんや小池薫さんも、慎一郎さんの後を追ったという。
「すごかったんだから。それこそ脱兎の如く走って、ダダダッてエレベーターのボタンを連打して。壊れるかと思ったわ」
あははと笑った。
「あの、小池薫さんって女医さん、なんとも言えない顔で呆然と見ていたわよ。朝井様が血相変えて桜子を抱き上げたのをね」
「そう……」
「お連れの男性に、えっとお医者様の」
「八代さん?」



