ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「山本さん聴きましたよね? 今、夫が来ます」

「え、だって君、夕月って」



「桜子っ!」

 エレベーターから飛び出してきたのは慎一郎さんだった。

 すぐ後ろには八代さんがいる。

「慎一郎さん!」

 

「とんだ最終日だったね」

 美江ちゃんが、ため息をつく。

「とにかく無事でよかったよ」

「うん。私もビックリ」

 私は今、スイートルームのベッドに寝ている。

 慎一郎さんがすぐに部屋をとり、私を抱き上げて運んだのだ。

「防犯カメラの映像見たんだけど、朝井様かっこよかったね」

 クスッと美江ちゃんが笑う。

 慎一郎さんはまっすぐに私のところに走って来て、山本先輩に向き直った。

「私がショックを受けないように気を遣ったそうよ」

 彼は大きく息を吐いて『法的措置を取らせてもらう』とだけ言って私を抱き上げたのだ。

 そして駆けつけたスタッフに『スイートルームを取ってほしい』と告げたのである。