ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 考えちゃダメ。明日は最終日なんだもの、気持ちよく迎えたい。

 その夜は彼に甘えた。

「慎一郎さん、ギュッとして」

「ああ、寝るまでこうしてるから安心してお休み」

 私は大丈夫。

 彼の胸の中で彼の鼓動を聞きながら、心穏やかに深い眠りについた。

 

 そして迎えた、最終日。

 仕事の合間に客室清掃のおばちゃんたちにお菓子を配ったり、挨拶をするうちに夕方になった。

 四時過ぎ、ロビーを歩いていると、小池様の姿が見えた。

 彼女はフロントで鍵を受け取っている。

 軽く会釈をして通り過ぎようとすると「あっ、あなた昨日の」と声をかけられた。

「どうかしら、このワンピース。新調したの、デートのために」

「とてもお似合いです」

「ありがとう」

 特徴ある柄。誰もが知る高級ブランドの服だとわかる。

 バッグも靴も。身につけるアクセサリーもすべてがハイブランド。スラリと背の高い彼女に本当によく似合っている。

 ここコルヌイエのお客様らしく上品で素敵な方だ。