ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 やはり、彼女はハガキの女性、薫さんである可能性が高い。宿泊者の名前を調べればわかるかもしれないが、個人的な興味でそれをしてはいけない。

 最後まで私は清廉潔白なホテリエでいたい。

 途中フロントに寄って、念のためレストランの予約を頼まれた報告をする。

「私が、レストランに確認して連絡しておきましょうか?」

「ありがとう助かるわ。よろしく。えっと、名前は小池様よ」

 小池、薫……。やはりハガキの女性に間違いない。

「わかりました」と答えながら、胸の奥に苦いものが込み上げた。

 予約は無事に取れて小池様にその旨を伝える。

『ありがとう』



 その日の夕食どき、慎一郎さんが言った。

「明日はちょうどコルヌイエのレストランで知人と食事をすることになったんだ。八代も一緒にな。知人て言うのは、この前のハガキの女性なんだが、八代と彼女とも知り合いでね」

 八代さんも一緒?

「そうなの」

「ああ、帰りは一緒に帰ろう」

「はい」