ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 久しぶりにお客様とお話ができると思うと、心が浮き立つ。私はやっぱり事務作業よりも接客の方が好きなんだ。

 チャイムを鳴らすとお客様が顔を出した。

「はーい」

 明るい笑顔で出迎えたお客様を見てハッとした。

「使い方を、説明させていただきますね」

「お願いします」

 もしかしてこの女性は、ハガキの彼女ではないだろうか。

「美顔器まで貸してくれるなんて、サービスがいいのね」

「ありがとうございます」

 箱から美顔器を取り出し、コンセントを差し込んだり準備をしている間に「夕月さんとおっしゃるの? 素敵な名前ね」と声をかけられた。

 彼女は私のネームプレートを見ていた。

「ありがとうございます」

 結婚して名前は変わったが、退職までは夕月で通すと決めた。わざわざ変える利点もないからだ。

「そう。私なんてありきたりの名字だから憧れちゃうわ。でも、もうすぐ結婚して変わるからそれまでの辛抱だけど」

「ご結婚されるんですね。おめでとうございます」