ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました



 仕方ない、プロに任せよう。

「こちらです」とドアを開け朝井様を部屋の中へと促す。

 部屋には百貨店の外商の担当者がふたり。男性と女性ひとりずつ。ハンガーラックにはズラリと服がかけてある。

「こちらお洋服をお望みの朝井様です」

「お世話になります。よろしくお願いします」と百貨店のスタッフがいっせいに頭を下げる。

「こちらこそ」

 朝井様が簡単な挨拶を済ませて、早速服選びが始まった。

 急遽用意した衝立の向こう側で朝井様が着替える。

 これまた大急ぎで運び入れてもらった大きな姿見があるというのに、鏡はちらりと見ただけで、朝井様は私の方を向いて立つ。

「どう?」

 濃紺のスーツに、薄いくすみブルーのシャツに紺色系のネクタイ。

「とてもよくお似合いです」と私は大袈裟なくらいパチパチと両手を合わせた。

 そもそも似合わない人はいないだろうと思われる無難な組み合わせだが、スタイルがいい人が着るのだから文句のつけようがない。