ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 病棟に、面白いという表現は違和感がある。

 いったいどんな話なのかと、真剣に耳を傾けた。

「七十代の女性が特別室に入院してね。病状は軽いんだが、担当の医者を変えてほしいって言い出したんだ」

「お医者様を気に入らなかったんですか?」

「ああそうだな。まれにそういう話はある」

 そうか。患者もある意味お客様だ。

 迎える側という点では、病院もホテルと通じるところもあるのかもしれない。

「患者も医者に命を預けるようなものだから、神経質になって当然だ」

 ふむふむと興味深く話を聞いた。

「それで、患者さんが言ったんだ『あなたのように、ホテルのスタッフに嫌がらせをすような方では、私安心できませんわ』ってね」

「ホテル?」

 彼は微笑みながらうなずいた。

「名指しされたのは俺の同僚で、女性の医師だ。患者の女性はそのほかにも三人の看護師を指摘した。そしてこう言ったよ『一度でなく二度よ。言い訳無用』」

 そこまで聞いて、もしやと思った。

「その入院した女性というのは、もしかしてシルバーヘアの」