ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「引っ越しをしたとき、実家からひとりハウスキーパーに来てもらった話はしたよな、彼女がパールのピアスを落としたかもって言っていてね」

 画面に表示されたのは、小さなパールのピアス。私が拾ったものと同じだ。

「ハウスキーパーさん?」

「ああ。普段はアクセサリーはつけないらしいんだが、三十年ぶりに小学校の同窓会があってつけたと言っていた」

 そそっかしい人なんだと言いながら苦笑する彼を見て、図らずも泣きそうになる。

 それじゃ、信じてもいいの?

「――寝室に、落ちていたの。これと同じピアスが」

「やっぱりそうか。どうして言わなかったんだ? 俺が信じられなかった?」

 図星だ。最初から疑っていた。

 私は彼にとってかりそめの婚約者でしかないから。

「聞いたんだよ。伊藤さんにね」

「美江ちゃんに?」

 彼はうなずいた。

 そうか、美江ちゃん話してくれたんだ。心配して。

「ピアスの主は、俺が子どもの頃くしゃみをするだけで心配して、埃は毒だからと言ってね」