ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 右手に荷物を持ったまま左手はしっかりと私の腰を抱くようにして。

「体調は?」

 えっ、一瞬ハッとしたが。大きく息を吸ってそのまま「実は」と話を切り出した。

 ここで告白して、そのままさよならするのもいいかもしれない。

「私妊娠しているんです。十二週目に入りました」

「ようやく言ってくれた」

 はっとする私の手をつかみ、立ち止まった慎一郎さんは荷物を足元に置いて、両手でギュッと私を抱きしめた。

「もしかしたらとは思っていた。休みをとってゆっくり君と話そうと思っていたんだ」

 慎一郎さん?

「結婚しよう。契約じゃなく一生君と一緒にいたい」

「でも」

「桜子、子どもができたからじゃない。いつかちゃんと言おうと思ってたんだ」

 そんな……。

「愛してるって言っても、君は信じてくれていないようだったから」

 ふと横を向くと通行人と目が合い、そっと体を離す。

「人目がありますから」

「そんなの関係ないさ」

 いつもクールなのに。彼は言葉のまままた私に体を寄せる。